「 回転体の中で 」
小さな回転体の中で
時間を止めてしまいたいと思い始めている
そして、深く考えてみる
何も見えなくていい
それが醜い現実ならば
目を閉じて想像だけしていればいい
ありのままの自分の姿に白い翼をつけ
拡げてゆけばいい
それが「夢」だと思えても
手で触れられるモノだけでは
形成されていない 小さな回転体
この小さな回転体は
自分の力だけで動かしている
歩く日も、休む日も
動けなくなるまで回し続けてゆく
この景色も、この時間さえも
静かに眠りたくても眠れない歳月がある
大切な想いに浸れる長い季節もある
すべてが素敵に思えたら
すべてが儚く思えたら
眠ろう 何も恐れずに
眠ろう 目覚めたら
小さな回転体の中で小さく身をひそめ
希望を胸に抱き
眠ろう 子供に戻って
眠ろう 目覚めたら
「 永遠 」
まだ肌寒い でも昨日よりは暖かい
あの頃よりも騒がしいけど
ボクはもう少しだけ ここにいたい
太陽が沈み 帰り道を消してしまうまで
無臭の風と懐かしいほころび
古い絵画のように
止まったままの景色は動きはじめる
静かな羽撃き 空気を切り裂く無数の翼
失くした白い羽根の代わりに
手にした半分だけの枯れ葉
永遠はまるで無のように思う
だってボクは欲しくないから
温もりだけ 少しだけなら痛みさえも
胸に抱きしめながら 灰になって
漂う・・・
見えないモノに脅えたくないから
壊れる時計は捨てて行こう
永遠はまるで無のように思う
迷うだけの永遠なら
ボクは止めてしまいたい
永遠はまるで無のようにここにある
だから漂う 永遠に
「 詩人の血 」
残す言葉もなく過ぎ去るだけの明日
まるでハリボテだらけの世界
裏側は見えないからすべてが嘘のようで
影の中 うつむいては眠るだけ
耳障りな鳥たちの泣き声
風の唄は聴こえない
映るのは白と黒で描いた誰かの景色
手に在るのは苦痛だけ
昨日を憐れむだけ
無を祈る気持ちも分かる気がする
だけど、 時間の流れは鮮やかで
ボクはいくつも詩を描く
同じ喜びを感じられないキミのために
ボクはいつまでもここにいよう
強く在りたい
ボクの中に流れる「詩人の血」
すべてを美しく塗り変えていきたい
だけど・・・ 強くなれない
ボクの中に目覚めた「最後の詩人」
詩だけでも美しくここに残したい
せめて・・・
止まらない
ボクの中から溢れる「詩人の血」
眠れない
ボクの中に存在する「最後の詩人」
「 救いを 」
汚れのない美しい魂よ
救いを下さい
他に何も望まない
ただそばにいて欲しくて
記憶は少しずつ色を失くし
涙の跡のように消えてゆく
戻ることのない 空白をかたどる
枯れ落ちてゆく
最後の葉
眠りの中でさえも悲しみに満ちていて
時間にしがみつくけど
何を見つめていいのか分からない
何を信じていいのか分からない
汚れのない美しい魂よ
救いを下さい
触れられなくてもいい
ひとりでいたくない
生まれた意味も
生きてゆく意味も
知りたかったけどもうどうでもいい
汚れのない美しい魂よ
傷ついたこの僕に
救いと云う名の「やすらぎ」を与えて下さい
この空の下で生きている
本当は誰でも分かり合えれば
自然に「愛」は生まれて来る
枯れることなく